江戸東京野菜・品川カブ
江戸の食生活を伝える野菜
東京の野菜、あるいは品川区の野菜と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか。実は品川区にも代表する野菜が存在するのです。それは江戸東京野菜の品川蕪。
江戸東京野菜とは、「江戸期から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または、近隣の種苗商により確保されていた昭和中期までのいわゆる在来種、または在来の栽培法等に由来する野菜」のこと。江戸東京野菜には現在、50品目を超す野菜が登録されています。
名前の由来は?
品川カブは、江戸時代に副食として漬物に使われていました。一般的なカブとは異なり、大根のように細長い形が特徴です。
現在の北区滝野川付近で栽培されていたことから、「滝野川蕪」と言われていましたが、土壌環境が似ていたことから、品川で作られた物は「品川蕪」と名付けられました。
品川蕪の品評会も
明治期以降、栽培が途絶えていましたが、「江戸野菜の復活」の取り組みを知った北品川の青果店経営者が、小平市で栽培されていた「東京大長カブ」が江戸時代の書物に描かれていたカブとよく似たものであることを発見し、地元・品川の名を冠して、江戸東京野菜として復活しました。
今では年末に品川蕪の品評会も開催されています。小学生の部・一般の部での表彰のほか、品川蕪が入った「品川汁」の振る舞いなどがあり、多くの方でにぎわいます。